コロナの影響で働き方を見直す人が増え、一般的にも知られるようになった「FIRE」という生き方。
「Financial Independence(経済的自立), Retire Early(早期退職)」という仕事や時間に囚われな生き方に今注目が集まっています。
他にも「早期リタイアまではいかなくとも、貯金や資産を増やしたい」なんて人も。
そこで、今回は現在FIREを目指している人や、優良家計の人(毎月数万以上の貯金や投資が出来ている)の家計簿を年収別に覗いていこうと思います。
※参考:ベネッセ「サンキュ!」より
※年収は手取りで算出
年収200万~399万
プロファイル
月収:16~33万
食費平均:3万6125円
毎月の貯金額:平均8万6975円(中央値5万)
年間貯金額:平均112万5000円(中央値60万)
住居費の次に高い出費:①食費②教育費③水道光熱費
生活に満足しているか:「はい」が35%
電子決済利用:「利用している」が35%
特徴
年収200~300万円台世帯は月収にすると10万円ほどの差があるので、平均額より中央値を見る方が現実的。ほとんどの人が毎月5万円は貯金や投資に回すことができており、積み立てNISAなどを使用し、年利5%で回していけば20年で2000万円ほどになる可能性があります。
早いうちから行動している人はこの年収世帯でも30代半ば~後半で資産1000万が多く見受けられました。
家計簿は食費、日用消耗品など変動費も比較的に使い先や毎月の出費が決まっていているため、余剰金を投資や貯金に回している傾向にあります。
そのため、「住居費の次に高い出費」に水道・光熱費がランクインしているのもこの年収世帯のみでした。
全体的に見て優良そうに見えますが、「いざ」という時のための貯蓄や、投資、貯蓄スピード、レジャー費には余裕があまりないので生活の満足度は過半数以上が「もうちょっと余裕が欲しい」と思っているようです。
年収400万~499万
プロファイル
月収:33~41万
食費平均:4万4080円
毎月の貯金額:平均9万6572円
年間貯金額:平均130万9040円
住居費の次に高い出費:①食費②保険③教育費
生活に満足しているか:「はい」が56%
電子決済利用:「利用している」が58%
特徴
年収400万円台世帯は毎月約10万円近く貯蓄や投資に回していても「生活に満足している」という声が50%以上を超えていのが特徴的。
教育費にかけるお金も収入200~300万円台世帯と比べると2倍の1万2000円ほどまで上がっており、教育に力を入れることができるのもこの世帯収入からになってくるのでしょう。
年間の貯蓄額も100万以上あり、10年で投資等をしなくても1000万円はいつでも使えるお金として手元に残しておけそうです。
また、電子決済利用も収入200~300万円台世帯と比べても利用率が増えており、ファイナンシャルリテラシーも高くなっています。
年収500万~599万
プロファイル
月収:41~49万
食費平均:4万6580円
毎月の貯金額:平均11万6200円
年間貯金額:平均186万6400円
住居費の次に高い出費:①食費②教育費③保険料
生活に満足しているか:「はい」が56%
電子決済利用:「利用している」が55%
特徴
年収500万円台世帯は子供への投資(教育や学資保険、子供貯金)に月数万出し、戸建てや車など購入してローン返済しつつも年間180万ほど貯金や投資に回すことができているのが目立ちます。
一馬力の家庭の場合は40代、夫婦共働きなどの場合は30代でこの年収に達成する場合が多いようです。
しかし、「民間実態統計調査」によると給与所得が手取りで500万以上ある人は全体の20%となっており、若いうちから500万円以上の世帯を目指す場合は副業で副収入を得たり、昇進や転職、スキルアップなどが必要になってきます。
年収600万~699万
プロファイル
月収:50~58万
食費平均:4万8534円
毎月の貯金額:平均13万234円
年間貯金額:平均186万4800円
住居費の次に高い出費:①食費②教育費③保険料
生活に満足しているか:「はい」が61%
電子決済利用:「利用している」が58%
特徴
年収600万円台世帯は年収500万円台世帯と貯金額の平均が変わらず、教育や保健、ローンを組みつつも趣味や旅行などを楽む人が多いようです。
また、家賃10万以上の賃貸マンションなどに住んでいる世帯が増えているのもこの年収帯でした。
年収が多い代わりに出費も比例して増えているので、生活に満足している人は年収400~500万円台の世帯とほとんど変わらないという面白い結果になりました。
年収700万~以上
プロファイル
月収:58万以上
食費平均:5万4677円
毎月の貯金額:平均18万7514円
年間貯金額:平均245万8000円
住居費の次に高い出費:①食費②教育費③保険料
生活に満足しているか:「はい」が75%
電子決済利用:「利用している」が25%
特徴
年収700万円以上になると一気に生活に質が上がり、「生活に満足している」と答える世帯が75%となっています。
年収300万円台世帯が「毎月赤字家計」と回答する割合が35%に対して、この世帯は約1/10の3%という結果にもなっています。
投資や貯金、教育、趣味などを楽しんでいても余裕を感じています。
また、戸建てを購入して、現在40代にも関わらず、ローンを完済したという世帯も多く、月々の家賃が必要のない分、それらも投資や貯金に回せているようです。
どの世帯にも共通しているのが「住居費」の低さ
積極的に投資や貯金を心掛ける世帯は月々の住居費が低く、10万円以下がほとんどで、高くても12万円前後でした。
年収が700万以上ある世帯もタワマンなどの高級住宅などではなく、固定費を投資、貯金に回している傾向にありました。
資産を増やしていくうえで固定費の削減は大きいようです。
最後に
今より資産や貯金を増やしたい、早く早期リタイアして時間や仕事に囚われない生き方をしたい。
そういった場合はまず今の固定費や出費、自分の年収などを見直し、不必要な出費は削り、必要であれば収入の入り方など見直すのも良いでしょう。